パワーヒッターの最重要指標
「バレル」について解説して欲しいな
高確率で長打や安打となる
特定の打球速度と打球角度が「バレル」だ！
「バレル」の打球をいかに増やすかが、ポイントなんだね
この記事では「バレル」について、解説いたします。
数字で紐解いていくことでMLBがさらに面白くなること間違いなし！！
真のパワーヒッターは誰だ！！
この記事を読めば・・・
MLBのパワーヒッターの重要指標「バレル」についてわかります！
バレルとは？
現時点のバレルランキング
バレルゾーンとは？
バレルゾーンとは・・・
打率0.5、長打率1.5を満たす打球速度と打球角度の組み合わせです。
バレルゾーンとは統計データ上から打率0.5、長打率1.5以上となった打球速度と打球角度を指します。
言い換えると・・・
バレルゾーンのボールが打てると高い確率でヒットやホームランになります。
バレルゾーンは打球速度と打球角度で定義されます。
打球速度が速いと、打球角度も広がるぞ！！
例えば打球速度が98mph(157.7km/h)なら打球角度が26-30度の範囲がバレルゾーンとなります
上図で言う赤色の部分。
速くて良い角度の打球のことだね！
バッターの打球の質を正確に評価する指標として、
非常に重要視されています
バレルゾーン内の打球は打率５割以上、長打率1.5割を記録します。
打率と長打率をおさらいです〜
打率 (Batting Average)
- 計算方法：打率 = 安打数 / 打数
- 意味：打者が打席でヒットを打つ確率を示します。
- 例：打率が.500の打者は10回の打席で5回ヒットを打ちます。
長打率 (Slugging Percentage)
- 計算方法：長打率 = 塁打数/ 打数
- 塁打数 = 単打数 + (2×二塁打数) + (3×三塁打数) + (4×本塁打数)
- 意味：1打席あたりに打者が稼ぐ進塁数を示します。
- 例：長打率が1.500の打者は１打席あたり平均して1.5塁を稼ぎます。
統計学の観点で言えば、バレルゾーンの打球を常に打つと、打率５割を記録できます。
なぜバレルゾーンが重要なのか？
MLBのStatcastのデータによると、バレルゾーンに当たった打球の打率は約.500、つまり2回に1回はヒットになるという驚異的な数字が出ています。また打球の平均飛距離も400フィート（約122メートル）を超えるため、ホームランになる確率も非常に高いです。
これらのデータから打者が目指すべき指標となりました
打球速度別バレルゾーン
またバレルゾーンは打球速度が速くなれば、打球角度の範囲も拡大します。
| 打球速度 (mph) | 打球速度 (km/h) | 打球角度 (度) |
|---|---|---|
| 98 | 157.7 | 26 – 30 |
| 99 | 159.3 | 25 – 30 |
| 100 | 160.9 | 24 – 33 |
| 101 | 162.5 | 23 – 34 |
| 102 | 164.1 | 22 – 35 |
| 103 | 165.8 | 21 – 36 |
| 104 | 167.4 | 20 – 37 |
| 105 | 169.0 | 19 – 38 |
| 106 | 170.6 | 18 – 39 |
| 107 | 172.2 | 17 – 40 |
| 108 | 173.8 | 16 – 41 |
| 109 | 175.4 | 15 – 42 |
| 110 | 177.0 | 14 – 43 |
| 111 | 178.6 | 13 – 44 |
| 112 | 180.2 | 12 – 45 |
| 113 | 181.9 | 11 – 46 |
| 114 | 183.5 | 10 – 47 |
| 115 | 185.1 | 9 – 48 |
| 116 | 186.7 | 8 – 49 |
| 117 | 188.3 | 7 – 50 |
これらのデータを見ると、バレルゾーンにどれだけ多くの打球を当てられるかがバッターの成績に大きな影響を与えることがわかります。
プレイヤーがバレルゾーンを狙う方法
それではバレルゾーンを狙うためにはどうする必要があるのか。
まずは高い打球速度が大前提になります。
打球速度はバットのスイングスピートに直結していますので、
スイングスピードを上げることが重要です！
その上で適切な打球角度を保つトレーニングが必要になります。
参考:MLB選手のバレル
順位 | 選手名 | バレル/1打席 % | バレル発生回数 |
1 | アーロン・ジャッジ (ヤンキース) | 15.5% | 50 |
2 | ファン・ソト （ヤンキース） | 12.9% | 41 |
3 | オズナ・マルセル （ブレーブス) | 12.8% | 37 |
4 | 大谷翔平 | 12.5% | 39 |
5 | ジャンカルロ・スタントン | 11.6% | 30 |
いやぁ。それにしてもヤンキースの超重量打線の凄さが身に沁みますね
参考:バレルに関する歴代記録
歴代のバレルに関する記録もご紹介しておきます。
シーズン最多バレル数はアーロン・ジャッジ選手ですね。
今後も大谷翔平のライバルとして、鎬を削り合うことでしょう！
| 記録 | 選手 | 年 | 数値 |
|---|---|---|---|
| シーズン 最多バレル数 | アーロン・ジャッジ (Aaron Judge) | 2022 | 79 |
| バレル率（Brls/BBE） 最高記録 | ジャンカルロ・スタントン (Giancarlo Stanton) | 2017 | 26.1% |
| 通算バレル数 | ネルソン・クルーズ (Nelson Cruz) | 2015-2023 | 418 |
バレルの由来
「バレル」という言葉は、英語の「barrel」から来ていますが、ここでの「barrel」は樽の形状や構造を指すものではありません。むしろ、バットの「バレル部分」、つまりバットの中央部からやや先端にかけての太くなっている部分を指します。この部分は打球が最も強く、最も理想的な角度で飛ぶ場所であり、「sweet spot」とも呼ばれます
パフォーマンスと年俸の相関
選手の年俸は、基本的にはそのパフォーマンスに基づいて決定されます。従来は打率や本塁打数、打点などの基本的な統計が主な指標とされていましたが、最近ではバレル率や打球速度などの高度なデータも評価の対象となっています。これにより、以下のような影響が見られます。
- パワーヒッターの評価向上: バレル率が高い選手は、強打の能力が高いため、長打力が評価されやすくなります。これにより、特にホームランを量産するスラッガータイプの選手は高額な年俸を得る傾向があります。
- 若手選手の評価: 若手選手においても、バレル率などのデータがスカウティングレポートに反映され、潜在的な能力を評価する際に重要視されます。このデータを元に、将来性のある選手に対しても高い契約を提示することがあります。
まとめ
本日はMLBで最重要項目となっているバレルについて解説しました。
打率や打点は打線やチーム状況、相手チームにも依存しますが、
バレルはバッター個人に依存する指標です。
少しでもバレル打球が多いバッターは強打者の証なんだ！！
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