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世界一の売上「Walmart(ウォルマート)」とは?アメリカ小売の王者が街を変える

アメリカ生活

アメリカに住んでいると、毎日のように目にするお店やロゴ、CM、アプリ。
でも、その企業がどんな歴史を持ち、どんな戦略でここまで成長してきたのかを知る機会は意外と少ないのではないでしょうか。

このシリーズでは、「なんとなく見たことある」では終わらせない、アメリカ生活で頻出する企業たちの正体を、データと現地視点で深掘りして紹介していきます。

  • その企業はなぜ人気なのか?
  • どこにでもある理由は?
  • 影の側面はないのか?

そんな視点から、1社ずつじっくり見ていきます。
第一弾は、売上世界一の小売企業「Walmart(ウォルマート)」です。

Walmartとは?アメリカ生まれの超巨大企業

Walmart Inc.は、1962年にサム・ウォルトン(Sam Walton)がアメリカ・アーカンソー州で創業したディスカウントストアです。
当初は「誰にでも手の届く価格で商品を提供する」ことを目指した地方の小売店でしたが、価格破壊と物流戦略で急成長。現在は売上世界一の企業です。

2024年の実績:

項目内容
売上高約6,000億ドル(世界1位)
アメリカ国内店舗数約4,700店舗
全世界店舗数約10,500店舗
従業員数約210万人(うちアメリカ国内150万人以上)

アメリカ全土に広がる圧倒的ネットワーク

アメリカでは「車で15分以内にWalmartがある」と言われるほどの浸透率です。
特に中西部や南部では、地元のスーパーよりも先にWalmartに行く人も多く、生活に密着した存在です。

主な店舗形態:

  • Walmart Supercenter:食品から家電まで揃う大型店舗
  • Walmart Neighborhood Market:食品中心の中型店舗
  • Sam’s Club:会員制の倉庫型ストア(Walmart系列)

カリフォルニア州サンノゼエリアでもこれだけの数の店舗が見つかります。


Walmartがもたらす負の影響

アメリカ生活を便利にしてくれる一方で、Walmartの存在が地域に与える影響は決して小さくありません。

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「安くて便利」だからこそ生まれる、3つの負の側面について紹介します。

  • 地元商店の衰退
  • 地元雇用への影響
  • 治安の悪化

それでは一つずつ見ていきましょう!

地元商店の衰退

Walmartが新たに出店すると、周囲にあった個人経営の商店、八百屋、書店、薬局といった小規模店舗が、次々と廃業に追い込まれるケースが珍しくありません。

その理由は明確です。

  • 圧倒的な価格競争力(大量仕入れによる低価格)
  • 豊富な在庫と商品ラインナップ
  • 長時間営業(24時間営業の店舗も多い)

このような差により、地元の商店は太刀打ちできずに客足を奪われていきます。
この現象は経済学では「Walmartization(ウォルマート化)」と呼ばれ、地域経済に構造的な変化をもたらす存在として議論されることもあります。

地元雇用への影響

Walmartは地域最大の雇用主になることも多く、表面的には「雇用を生み出す存在」として評価されることがあります。
しかし、実際には以下のような課題も指摘されています。

  • もともと地元店で働いていた人材がWalmartに流れる
  • 他店舗が人手不足になり、経営がさらに厳しくなる
  • Walmartの時給は必ずしも地域水準より高いわけではなく、福利厚生も限定的なことがある
  • 一部では労働環境の過酷さや勤務時間の不安定さも問題視されている

その結果、地元全体の雇用バランスが崩れ、地域経済がWalmart一極依存になってしまうリスクもあります。

治安の悪化

Walmart店舗とその周辺では、治安面での問題もたびたび取り上げられています。

  • 万引き、置き引き、車上荒らしの発生率が高い
  • 店舗内でのトラブルや暴力事件が報告されることもある
  • 一部のエリアでは、警察官が常駐している店舗も存在する

Walmartは「誰でも利用できるオープンな場」であるがゆえに、客層が非常に多様で、中にはトラブルの火種を持ち込む人もいます。

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SNSでは「Walmart is wild.(ウォルマートはカオス)」と揶揄されることもあり、YouTubeには“Walmartで見かけた珍客”をテーマにしたチャンネルが人気を博すほどです。

こうした背景から、Walmartがある地域=便利である反面、治安の懸念も抱える地域として評価が分かれることも少なくありません。


Walmartはなぜそれでも人気なのか

安さと利便性が最大の理由です。
生活が苦しい層や郊外在住者にとって、Walmartは生活の生命線です。

さらに、プライベートブランド(Great ValueやEquateなど)も低価格で品質が安定しており、日用品の購入先として非常に強い支持を得ています。


デジタル化と次世代戦略

Amazonに対抗する形で、Walmartもデジタル強化に動いています。

  • Walmart+(月額サブスク):無料配達、ガソリン割引などの特典
  • アプリ注文+店頭受取「Curbside Pickup」
  • 即日配達ネットワークの拡充

実店舗を持つ利点を活かしながら、ECとのハイブリッド展開を進めています。


Walmartの企業としての成長史

出来事
1962年アーカンソー州で1号店を開業
1970年代南部・中西部に急拡大
1988年スーパセンター導入(食品販売開始)
1991年国際展開スタート(メキシコ)
2002年世界最大の小売業者に
2020年以降Walmart+を中心にデジタル展開強化

まとめ

Walmartは、圧倒的な安さと利便性を武器に、アメリカ中に浸透した巨大小売企業です。
特に、車社会で暮らす地方の住民や、価格に敏感な層にとっては、生活に欠かせない存在となっています。

どこにでもあり、何でもそろい、大量に安く買える。
その一貫したビジネスモデルこそが、長年にわたりWalmartが選ばれ続けてきた理由です。

一方で、その規模の大きさがゆえに、地域社会に与える影響も決して小さくありません。

  • 地元の小規模店舗が競争に敗れ、街から姿を消す
  • 雇用がWalmartに一極集中し、地域経済のバランスが崩れる
  • 万引きやトラブルの多発など、治安への懸念も広がる

このように、Walmartは「便利でありがたい存在」であると同時に、「地域を変えてしまう力を持つ存在」でもあります。

次回は、会員制スーパーとして日本人にも人気の「Costco(コストコ)」を予定しています。

本日もご覧いただきありがとうございました

この記事を書いたのは・・・
Potato

アメリカ西海岸に住むサラリーマン、通称「サンノゼ・ポテト」です!円安と物価高のダブルパンチを受けながら、ちょっとでも生活に「お得」と「楽しさ」をプラスする術を日々研究中です。

趣味はMLB株式投資。pythonを駆使して、データを分析して、ニンマリすることが休日の楽しみです。

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