
「オプション取引」と聞くと、なんだかプロっぽくて難しそう…と思いがちですよね。

でも実は、アメリカではこの「オプション取引」を日常的に使っている個人投資家もたくさんいます。
今日は知っているようで、良く知らない「オプション取引」について解説いたします!
オプションの基礎から、実際に使っているETFやファンドの実例、人気の理由までわかりやすく解説します。
オプション取引の基本:2つの種類
まずはオプション取引の基本から。
オプションには以下の2つがあります。
種類 | 内容 |
---|---|
コールオプション | 株を将来「買う」権利 |
プットオプション | 株を将来「売る」権利 |
コールオプション:株価が上がると思うときに使う
コールオプションは、ある価格で株を買える「チケット」のようなもの。
たとえば:
- 現在の株価:100ドル
- 「120ドルで買える権利(1か月以内)」を10ドルで購入
- 実際に株価が150ドルになったら…
→ 120ドルで買って150ドルで売れば30ドルの利益(10ドルのコスト除いて20ドルが実質利益)
プットオプション:株価が下がると見込むときに使う
プットオプションは、ある価格で売ることができる保険のような存在。
- 現在の株価:100ドル
- 「90ドルで売れる権利(1か月以内)」を8ドルで購入
- 株価が60ドルに下がったら…
→ 90ドルで売れて、実質30ドルの利益(8ドルのコスト除いて22ドルが実質利益)
米国での人気の理由:オプション市場の成長
オプションは今、アメリカで「第二の株式投資」と言われるほど人気。
- 2023年のオプション取引件数は1日平均4000万件超
- 特に個人投資家の短期トレードに人気
- 株アプリ(Robinhood、Webullなど)が手軽に取引できる環境を提供
実際に活用しているETFファンド
実際に「オプション取引」を駆使しているETFファンドもありますよ!

リスクを抑えて、高配当を実現している点が人気の理由です
【1】QYLD:ナスダック株のカバードコール
- 保有株:Nasdaq100銘柄
- コールオプションを売ってプレミアム(収入)を得る
- その収入を投資家に毎月分配金として配当
- 年利10%超の高配当が人気の理由
【2】JEPI:J.P.モルガンの戦略型インカムETF
- オプション戦略+株式投資を組み合わせた設計
- ELN(仕組債)を使い、株価の変動にも耐性
- 配当利回りも高く、守りながら稼ぎたい投資家に人気
【3】RYLD:小型株で攻めるカバードコール
- Russell 2000(小型株)に対応
- ボラティリティが高いため、プレミアム収入が大きい
- そのぶんリスクも高め
なぜファンドはオプションを使うのか?
活用目的 | 内容 |
---|---|
リスクヘッジ | 株の下落に備えてプットオプションを活用 |
安定収益 | コールオプション売却で毎月の収入を得る |
高度な戦略 | ストラドル、ストラングルなどでボラティリティを収益化する仕組み |
オプションの売り手と買い手
オプション取引を買うためにはもちろん売り手が必要です。そして面白いのはオプション取引は「買う」ことも「売る」こともできます。

双方のリスクを理解することが大切です
それぞれの思惑とメリット、デメリットをまとめました。
株価が上がると予想(強気) | 株価が下がると予想(弱気) | |
---|---|---|
オプションを買う | コール買い → 上がったら利益が青天井 | プット買い → 下がったら利益が大きい |
オプションを売る | プット売り → 下がらなければプレミアム獲得 | コール売り → 上がらなければ収益、でも上がると損 |
コールオプション:買い手 vs 売り手 比較表
区分 | コールオプションの買い手 | コールオプションの売り手 |
---|---|---|
思惑 | 株価が大きく上昇すると予想している | 株価は上がらない、もしくは緩やかな上昇に留まると予想 |
メリット | – 上昇時の利益は青天井 – 小額の投資で大きな利益を狙える(レバレッジ効果) | – プレミアム収入が得られる – 株価が上がらなければ収益確定 |
デメリット | – 株価が上がらないと購入費用(プレミアム)だけ損失 – 時間とともに価値が減少(タイムディケイ) | – 株価が大きく上がると無限の損失リスク – 利益はプレミアムに限定される(利益は限定、損失は無限) |
利益の上限 | なし(理論上、株価が上がるほど利益が出る) | プレミアム収入のみ(限定) |
損失の上限 | 支払ったプレミアムまでで限定 | 理論上は無限(株価がどこまでも上がる可能性) |
典型戦略 | ロングコール、LEAPS、イベント投資など | カバードコール、裸売り(リスク高)など |
プットオプション:買い手 vs 売り手 比較表
区分 | プットオプションの買い手 | プットオプションの売り手 |
---|---|---|
思惑 | 株価が下がると予想している | 株価は下がらないと予想している(または上がると見ている) |
メリット | – 株価が下がると大きな利益 – 保有株の下落リスクに備える保険になる | – 株価が下がらなければプレミアムが丸儲け – 保険を売るような感覚で安定収入が狙える |
デメリット | – 株価が下がらなければプレミアムが損失になる – タイムディケイで価値が減少 | – 株価が大きく下がると損失が膨らむ(買い取り義務が発生) |
利益の上限 | 株価がゼロになるまで(理論上の最大利益) | プレミアム収入のみ(限定) |
損失の上限 | 支払ったプレミアムまでで限定 | 理論上は無限(株価が急落すると大損リスク) |
典型戦略 | プロテクティブ・プット、ベア戦略、保険的活用 | キャッシュ・セキュアド・プット(現金担保型)、プレミアム狙い戦略 |
まとめ:知るだけで投資リテラシーが一段上がる
オプションは、一見すると複雑に見えますが、仕組みを理解すれば株価変動を味方につける強力なツールです。ざっくりまとめると・・・
- コール買い:「株が上がったら大儲けできるチケット」
- コール売り:「株が上がらなければお金がもらえるけど、上がりすぎたら困る賭け」
- プット買い=「株が下がったら利益が出る保険」
- プット売り=「株が下がらないならお金もらえるが、下がったらヤバい」

最初は「どんな仕組みかを知る」だけでもOK。
知っていることで、ETFや投資ニュースがグッと理解しやすくなるのです!
本日もご覧いただき、ありがとうございました。

MLBとマリオット
サンノゼポテトがお送りするMLBとマリオット中心のブログの投資編。
テーマは「絶対に退場しないこと」。高配当銘柄を中心に、利回り6%超えのポートフォリオを構築し、複利と入金力を武器に、着実に資産を積み上げていく。投資で得た学びやリサーチ結果をご紹介。Buy&HOLDを基本戦略とし、長期的な視点で資産形成を目指す。
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